資料ダウンロード 無料相談

Column

コラム詳細
新規事業開発

新規事業立ち上げでやるべきこと&やってはいけないことリスト

新規事業立ち上げでやるべきこと&やってはいけないことリスト

目次

新規事業を立ち上げる際、何から始めればいいのか、何を避けるべきかは、多くの起業家や経営者にとっての課題です。この記事では、新規事業立ち上げで「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を明らかにし、実践的リストをご紹介します。市場調査から事業計画、チームの組織構築に至るまで、具体的な方法を解説します。

さらに、リサーチの省略や顧客ニーズの無視など、新規事業立ち上げで避けたい点もまとめました。これにより、新規事業を成功に導くための方向性を明らかにし、リスクを最小限に抑える道筋もご理解いただけると思います。これらを駆使し、新規事業立ち上げにあたってより効率的なスタートを切れるよう、ガイドとしてお役立てください。

新規事業立ち上げとは何か? 必要性を解説

新規事業立ち上げとは、企業や個人が新しいアイデアや技術を用いて新しいビジネスを創出することです。この挑戦は企業が成長する重要な推進力となり、多様化したニーズに応える手段となります。また、新しい市場を開拓することで、企業の成長を持続し、競合と差別化を図ることができますし、起業家や経営者が自身の夢やビジョンを現実にする手段にもなり得ます。社会的な課題への解決策を提供することは、利益追求のほかに、より大きな価値を創造することもできるのです。

とはいえ、新規事業を通じて結果を出すには、戦略的な思考と行動が求められます。市場の変化とともに進化し続けるには、事業立ち上げの重要性を理解し、その機会を最大限に活用することが成功のカギとなります。

新規事業立ち上げでやるべきことリスト

新規事業を立ち上げるには、アイディアを実現するために市場の需要を理解し、事業の核となるビジョンを明確にし、ビジョンを実現する具体的な計画を策定するプロセスが求められます。さらに、適切なチームを組織して製品やサービスを市場に投入し、継続的に事業を最適化していくことも必要です。

成功する新規事業には、常に明確な計画と戦略があります。この記事を通じて、具体的な手法とツールを学べるよう、市場調査から財務計画、チームの組織化、ブランディング、そしてPDCAのサイクルまで、事業立ち上げを進める際のポイントを解説します。

1. 市場調査

市場調査は新規事業立ち上げの基盤となる部分です。このステージでのおもな目的は、ターゲット市場の定義・競合分析・顧客のインサイト・市場のトレンドなどを深く理解することです。可能な限りデータを集め、データ主導の洞察をまとめます。キーワードの検索受容の推移がわかる「Google Trends」や競合分析ツール「SEMrush」(有料)などを使用するのもひとつの手です。

また、SWOT分析を使って市場の強み・弱み・機会・脅威を評価し、自社の位置づけを明確にします。

2. 事業計画の策定

市場調査から得られた情報を基に、ビジネスの戦略的方向性・目標・戦術・マイルストーンを定義します。事業計画を立てる際に検討が必要な項目は以下のとおりです。

  • ビジョンとミッションの策定
    企業の長期的な目標と目標を達成するための使命を明確にします。
  • 目標設定
    SMART(具体的・測定可能・達成可能・関連性・時間枠)な目標を設定し、事業の進捗を測定できる効果測定のルールを定めます。
  • 全体的な戦略と戦術
    目標をどう達成するか、戦略と具体的な戦術を立てます。
  • ターゲット市場の選定と戦略設計
    顧客セグメントを選定し、各セグメントにどうアプローチするか考えます。
  • 財務計画
    利益と損失・キャッシュフロー・バランスシートなどの財務予測を立てます。
  • マーケティングと販売戦略
    製品のポジショニング・価格設定・プロモーション・販売チャネル等の戦略を立てます。
  • 運用計画
    日々の業務運営、人員などのリソース配置等の計画を立てます。
  • リスク管理
    起こりうるリスク予測と対策を考えます。
  • 進捗管理
    重要な成果物や期限を決め、プロジェクトの進捗を管理します。

3. 財務計画の策定

財務計画は事業の持続可能性と成長のために初期段階での策定が欠かせません。財務分析のツールやソフトウェアを利用したり、プロの財務コンサルタントの協力を仰いでもよいでしょう。分析には、損益計算書・バランスシート・キャッシュフロー計算書などの基本的な財務文書が必要とされることが一般的です。

  • 予算の設定
    初期投資・運営費・マーケティング費用など、具体的な支出計画を立てます。
  • 収益予測
    販売予想・価格戦略・販売チャネルなどを考慮して、収益予測を立てます。
  • キャッシュフローの管理
    収入と支出のタイミングを調整して、常に必要な流動資金が確保できるよう計画します。
  • 資金調達
    資金をどのように調達するかを考えます。自己資金で用意が難しい場合は、銀行融資、投資家からの資金調達も検討します。
  • 利益と損失の予測
    収益と支出の詳細な予測を立てて、損益分岐点や将来の利益予測を立てます。
  • リスク管理
    財務上のリスクをあらかじめ予測し、予備計画を立てておきます。

投資家や銀行からの資金調達の際には、整理された財務計画が信頼と透明性を築くのに役立つ重要なドキュメントとなります。総合的な財務計画は事業の方向性を明確にし、リソースを効果的に配分する基礎情報となります。

4. チーム組織の構築

チームビルディングは、プロジェクトの成功にとってとても重要なステップです。適切なスキルセット・価値観・役割分担を持ち、カルチャーフィットするメンバーを集めることで、事業の目標達成がより円滑になります。

  • ビジョンとミッションの共有
    事業の目的と目標を明確にし、チーム全体で共有します。これにより、メンバー全員が同じ方向を向く基盤を築きます。
  • 役割の定義と割り当て
    各メンバーの役割と責任を明確にし、スキルと経験に応じて割り当てます。明確な役割分担は効率的な作業を促進しますし、のちの火種も回避しやすくなります。
  • 適切なリーダーシップの確保
    チームリーダーを選定し、リーダーシップのスタイルと方針を明確にします。リーダーは方向性の確保とメンバーのサポートを果たし、チームビルディングに努めます。
  • コミュニケーションの構築
    透明性のあるコミュニケーションを促進するためのルールやツールを設定します。定期的なミーティングの設定や進捗報告の方法もこのタイミングで検討します。
  • チーム文化と価値観の形成
    共有する価値観と文化を共有し、互いの信頼と協調を高めるコミュニケーションに努めます。ストレングスファインダーなどで個々の価値観を共有したり、初期にワークショップを行い、ビジョンの共有などを行うこともおすすめです。
  • パフォーマンスの評価とフィードバック
    メンバーの成果を定期的に評価し、フィードバックします。個々のメンバーの成長と改善を促すだけでなく、モチベーションを維持する支えにもなります。
  • 柔軟な組織構造の採用
    必要に応じてチーム構造を調整し、変化に対応します。新規事業では予測外の出来事が起こりやすいため、アジャイル的なチーム運営の導入も検討してみてください。

5. 法務手続きの完了

法務手続きは事業の合法性と信頼性を確保し、おろそかにすると重大なリスクを招く恐れがあります。必要に応じて法律の専門家と連携し、適切なアドバイスと支援を受けましょう。最初の段階でしっかりと法務手続きを整えることで、今後の展開をスムーズに進めることができます。

  • 許認可・ライセンスの取得
    特定の業種に従事する場合、必要な許認可やライセンスを取得する必要があります。業務内容に応じて関連法規を確認し、適切な手続きを進めます。
  • 契約書の作成
    ビジネスパートナー、顧客、従業員との契約を正式に締結します。専門的な知識が必要な場合には、弁護士などの法的専門家に相談します。
  • 知的財産権の保護
    特許・商標・著作権など、事業に関連する知的財産を適切に保護します。
  • プライバシー法規とコンプライアンス
    個人情報保護法や関連する規制を遵守し、適切な情報管理体系を構築します。

6. 製品・サービスの開発

製品・サービスの開発は、顧客のニーズとビジネス戦略を結びつける架け橋です。クリエイティビティ、戦略的思考、顧客との連携が求められるため、多岐にわたるスキルと専門知識が求められます。チーム内での役割分担や外部の専門家との連携などを積極的に行い、アイディアを具体化していきましょう。

  • ニーズの特定と価値の定義
    市場調査で得られた情報を基に、顧客のニーズと期待を明確に定義します。製品やサービスが解決すべき問題や提供すべき価値を明確にします。
  • コンセプトの設定
    ターゲット顧客に対してどんな価値を提供するのか、製品やサービスの基本的なコンセプトを設計します。
  • プロトタイプの作成
    アイディアを具体化し、プロトタイプまたはサンプル製品を開発します。この段階では、基本的な機能や特性を検証することが目的です。
  • テストとフィードバック
    プロトタイプを対象顧客にテストしてもらい、フィードバックを集めます。製品の改良と方向性の確認を行います。
  • 開発と改良
    フィードバックをもとに製品やサービスを開発し、必要に応じて改良を重ねます。アジャイル開発など、柔軟に変化に対応できる開発方法がおすすめです。
  • 品質管理
    製品の品質を確保するためのテストと管理体系を整備します。とくに安全性や規制への準拠など、重要な点にも注意を払います。
  • 製造と供給チェーンの整備
    物理製品の場合、製造と供給チェーンの整備が必要になることがあります。コストや効率を最適化し、適切なタイミングで市場へ供給できる体系を構築します。
  • 価格戦略の設定
    製品の価値に合った価格を設定し、販売チャネルと連携させます。

7. ブランディング・マーケティング

製品やサービスを市場に浸透させ、競合と差別化するための戦略的なアプローチとなるのがブランディングとマーケティングです。データ分析・クリエイティブなコミュニケーション・戦略的思考など、多岐にわたるスキルと知識が欠かせません。最新のマーケティング技術と市場のトレンドを敏感に感じ取りながら、顧客の声に耳を傾け、ブランドの成功につなげていきましょう。

  • ブランド戦略の策定
    事業のミッション・ビジョン・価値を明確にし、これらを表現するブランドイメージやポジショニングを策定します。これにより、顧客に対して一貫したメッセージを発信できるようになります。
  • ターゲット顧客の設定
    製品やサービスの対象となる顧客層を特定し、彼らのニーズや動機、購買行動を深く理解します。
  • マーケティングミックスの開発
    4P(Product・Price・Place・Promotion)の戦略を構築し、製品の特性・価格設定・販売チャネル・プロモーション戦略を立てます。
  • コンテンツマーケティング
    顧客に価値を提供するコンテンツを作成し、ウェブサイト・ソーシャルメディア・ブログなどのプラットフォームで展開します。教育的コンテンツなどで信頼を築けると、なおよいでしょう。
  • デジタルマーケティング
    SNSやメルマガ、SEOなどのデジタルマーケティング手法を使って、オンラインで潜在顧客とコミュニケーションを取り、エンゲージメントを高めます。
  • プロモーションと広告
    ターゲット顧客に向けた広告キャンペーンやプロモーション活動を計画し、実施します。
  • KPIと効果測定
    マーケティング目標に対してKPIを設定し、定期的に効果測定を行います。戦略の効果を評価し、結果を見ながら実施施策の調整を行います。
  • 顧客管理
    CRMツールを使用して顧客との関係を深め、ロイヤルティの構築とリピート購買を促します。

8. 販売する

販売プロセスは製品やサービスを市場に適切に配置し、顧客に受け入れられる道を拓きます。市場と顧客に対する深い理解、戦略的なプランニング、柔軟な実行、そして絶えず改善する姿勢が成功につながります。

  • 販売チャネルの選定
    販売する製品やサービス、ターゲット顧客に合った最適な販売チャネル(オフライン販売・オンライン販売・直販・代理店など)を選定します。
  • 価格戦略の策定
    コスト構造・競合の価格・顧客の価値認識に基づいて、価格戦略を決定します。
  • 販売プロモーション
    製品やサービスの特長を強調し、顧客に購入を促進するためのプロモーション戦略(割引・特典・イベントなど)を計画します。
  • 販売チームのトレーニングとマネジメント
    販売チームに製品知識・顧客へのアプローチ・交渉技術などのトレーニングを提供し、セールスをサポートします。
  • 顧客サポートとクレーム対応
    購入後の顧客サポートを行い、顧客満足度を高めてリピート購入や口コミを促します。クレーム対応もこちらで行います。
  • 在庫管理と供給チェーン最適化
    効率的な在庫管理と供給チェーンを確立し、商品やサービスの供給を整えます。
  • データ分析とフィードバック
    販売データと顧客の声を分析し、製品・価格・プロモーションの効果を評価し、必要に応じて戦略を調整します。
  • 顧客との関係構築
    長期的な顧客関係を構築するために、パーソナライズされたコミュニケーション、ロイヤルティプログラム、カスタマーエンゲージメントの戦略を立て、実施します。

9. PDCAを回す

PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルは、新規事業のすべての側面(製品開発・マーケティング・販売・カスタマーサポートなど)に適用でき、進化し続ける状況下で競争力を維持するための強力なサポートを与えてくれます。

新規事業立ち上げにおいて、PDCAサイクルは以下の点で役立ちます。

  • プロジェクトにおける柔軟性
    このサイクルによって計画を評価し調整し続けるため、変化する市場や顧客の要求に素早く対応することが可能になります。
  • 問題解決の促進
    問題や課題を早期に特定し、それに対処することができます。
  • プロジェクトの全体効率化
    継続的な評価とフィードバックにより、リソースの無駄を減らし、事業効率を上げることができます。
  • チームの連携強化
    共通の目標に向かって進むプロセスが明確になるため、チーム内のコミュニケーションと連携が強化されます。

新規事業立ち上げでやってはいけないことリスト

新規事業立ち上げは多くのエネルギーとリソースが必要な挑戦です。その過程で陥りがちな誤りを避けるため、やってはいけないことを指針としてまとめました。

1. リサーチを省略する

市場リサーチの省略は、ターゲット市場のニーズや競合状況の誤解につながる可能性があります。おろそかにすると事業の方向性が曖昧になり、無駄にリソースを消耗することも。競合分析やSWOT分析などのリサーチ方法を用いて、市場における自社の機会とリスクを適切に評価することは不可欠です。

2. ビジネスプランを大雑把に作る

ビジネスプランの策定は、事業の方向性と目標を明確にするために重要です。大雑把に作成すると、具体的な戦略や実施計画がないまま進めることになり、困難な局面でスムーズな意思決定が難しくなります。SMARTの法則を使った目標設定など、明確で測定可能な目標を必ず事前に立ててください。

3. お金の勘定をしない

財務計画を立てないまま新規事業の立ち上げを行うと、予想外の支出に対する準備不足や、事業の成長に必要な資本不足につながる可能性があります。明確な予算計画と定期的な財務レビューを設定し、必要に応じて会計士や財務アドバイザーと連携すると、慌てるような事態そのものが起こりにくくなります。

4. 顧客ニーズを考慮しない

顧客のニーズや期待を無視すると、製品やサービスの市場における適合性がないままリリースすることも起こりえます。開発過程でタイミングを見ながら、顧客との対話や、フィードバックの収集、顧客体験の言語化・可視化などを行い、顧客視点をできるだけ早い段階で取り入れられるよう考慮します。

5. 市場からのフィードバックを無視する

市場からのフィードバックは、製品の改善やマーケティング戦略の調整に欠かせません。フィードバックを無視すると、市場の動向に対応できず、競合他社に取り残される恐れもあります。継続的な市場リサーチと顧客とのコミュニケーションが取れる体制を整えます。

6. 必要な人材を集めない

プロジェクトチームを発足させる際、正しいスキルセットとカルチャーフィットする人材を集められない場合、組織の成長が遅かったり、最悪の場合、メンバー同士のいさかいによって成長が妨げられることもあります。新規事業における人材戦略は、長期的なビジョンに合致した人材の採用と育成に重点を置く必要があります。

新規事業立ち上げに役立つツールとサービス

ここまで見てきたとおり、新規事業の立ち上げには多くのフェーズがあるため、適切なツールやサービスを用いることで効率化を進めることもできます。特定のニーズ・予算・およびビジネスの規模に合わせて慎重に検討しましょう。

以下は新規事業立ち上げの過程で役立つツールの一例です。

  • Google Trends
    キーワードの検索受容の推移を分析し、人気のキーワードやトピックをチェックできます。
  • SurveyMonkey
    無料のオンラインアンケートツールで、顧客の声を集めるために役立ちます。
  • Asana
    チームメンバーとのタスクと進捗状況の共有が可能な企業向け業務管理ツールです。
  • Canva
    専門的なデザインスキルがなくても魅力的なビジュアルコンテンツを作成できます。
  • Zendesk
    カスタマーサポートとサービス管理を効率的に行うツールです。

また、新規事業に新たに取り組む際、事業テーマに対してユーザー視点・マーケティング視点からサービス立ち上げをUX Desing Labがサポートいたします。

各ジャンルのプロフェッショナルによる競合調査やカスタマージャーニーマップの設計など、新規事業に必要なリサーチやサービスデザインなど、一気通貫のUXコンサルティングで成功のお手伝いをいたします。

「新規事業開発パートナーの3つの種類と選定ポイント」の資料を無料ダウンロード
UX Design Labの詳細はこちら
UX Design Labのお問い合わせはこちら

WEB開発やUXの無料相談はこちら

UXデザインで課題を発見・分析・改善
事業の成功まで伴走するパートナーとなります。

UX Design Lab編集部
記事を書いた人 UX Design Lab編集部
UX Design Labは、ユーザー視点・マーケティング視点の両面からWeb開発や新規サービス立ち上げ、サイト制作の戦略設計をサポートするUXコンサルティングサービスです。UXデザインでユーザー視点での本質的なニーズを見出し、現状の課題を発見・分析・改善します。編集部からはUX設計や事業立ち上げ、マーケティングに関わる有益な情報を、識者の目線から提供いたします。

UXデザインで
課題を発見・分析・改善
事業の成功までトータルサポート

新規のご相談やサービスに関するご質問は、
こちらからお気軽にご相談ください。

無料相談
  • TOP
  • コラム
  • 新規事業立ち上げでやるべきこと&やってはいけないことリスト