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新規事業開発

【完全版】新規事業を立ち上げるための7ステップ&成功事例

【完全版】新規事業を立ち上げるための7ステップ&成功事例

目次

新規事業の立ち上げは、企業に新たな成長の機会を提供し、業界全体に革新的な変化をもたらす重要なプロセスです。しかし、成功への道は困難に満ちており、計画的なアプローチと緻密な戦略が求められます。

本記事では、新規事業立ち上げのメリットとデメリットを客観的に評価し、効果的なステップとガイドラインをまとめました。具体的な成功事例を紐解きながら、何が結果を生んだのか、ポイントを深堀りします。さらに、成功のカギとされる「UX設計」の重要性に焦点を当て、その具体的な方法論についても解説します。

そもそもなぜ新規事業を立ち上げるのか?

新規事業を立ち上げる理由は多岐にわたります。たとえば以下のようなものです。

  • 市場のニッチを埋める
    未開拓の市場ニーズに対応するため、新しい製品やサービスを提供するため
  • 成長機会の追求
    既存のビジネスが飽和しており、新しい市場での成長機会を追求するため
  • 技術革新
    新しい技術やアイデアを商業化し、市場へ導入するため。近年ではAI分野などが盛ん
  • 競合他社との差別化
    独自の製品やサービスで市場での地位を築くため
  • リスク分散
    異なる市場や産業に進出し、事業リスクを分散させるため
  • 社会的使命の達成
    SDGsなどの社会的・環境的な目標を達成するため
  • 法律や規制の変更
    法規制の変更が新しい分野でビジネスチャンスを生み出すため
  • 顧客とのより深い関係の構築
    顧客のニーズにより密に対応するため
  • 利益の最大化
    新しい収益源を開拓し、企業の利益を増加させるため
  • 企業文化の変革
    企業文化を活性化させ、イノベーションを促進するため

新規事業開発は、起業家や経営者の夢と目標を実現する手段であると同時に、市場のニーズを満たし、社会全体に貢献する力を持っています。新規事業に挑戦することは、自己成長の機会であり、可能性の扉を開くことで、未来を切り開く旅への第一歩です。この挑戦は、強い意欲と情熱に支えられ、世界を変える力を持つこともできます。

新規事業立ち上げのメリットとデメリット

新規事業の立ち上げには、新しい価値を創造する力強い意欲がありますが、道のりは必ずしも平坦ではありません。立ち上げる意義とそのプロセスを深く理解し、メリットとデメリットを確認しておきましょう。

メリット1. ビジョンを実現できる

事業を立ち上げることで、自分の夢やアイデアを具現化することができます。また起業家としてのスキルや経験を積み重ね、個人としての成長も促進されます。

メリット2. 市場や社会に貢献できる

新しいサービスや製品を通じて、市場に新たな価値を提供できます。結果的に雇用を創出したり、地域社会へのポジティブな影響をもたらす可能性もあります。

メリット3. 利益の創出

事業が成功すれば、経済的な報酬や高い利益を期待できる場合があります。受託業務が中心だった企業が自社サービスで成功すれば、社員の働き方や満足度が変わる可能性も生まれてきます。

デメリット1. 失敗するリスクがある

新規事業立ち上げは、当然ながら失敗する可能性もあり、投資した時間や資金を失う恐れがあります。

デメリット2. 資金確保の難しさがある

新規事業が軌道に乗るまでは売上がないため、資金確保をどうするかが喫緊の課題になります。銀行や投資家から融資等を受ける場合は、行動に制約ができたり、融資先の意見によって対処が必要な場合も出てきます。

デメリット3. 投資した時間と労力が報われるとは限らない

新規事業の立ち上げと成長には、多大な努力と時間を必要とします。初回リリースから改善と修正を重ねて商品やサービスをブラッシュアップし続けますが、必ず成功するかどうかは誰にもわかりません。その間、不確実性やプレッシャーからくる精神的なストレスが増す可能性もあります。

新規事業立ち上げの7ステップ

新規事業を成功させるためには、単なるアイディアだけでは不十分で、計画的なアプローチと具体的なステップが求められます。市場のニーズの理解、資金調達、チーム構築など、多岐にわたる要素が必要になるのです。

ここからは、アイディアのブレストから市場調査、マーケティング戦略、評価改善に至るまで、新規事業を具体化する7つのステップをご紹介します。

ステップ1. アイデア出しとブレスト

新規事業を始める最初のステップは、事業アイデアです。ブレインストーミングを通じて、コンセプトや解決策を考えます。多岐にわたる視点を取り入れ、可能性を広げることが重要ですが、特に重要なのは、自社の独自性です。

積み重ねてきたビジネスや顧客ニーズを新たな視点で見直してみると、すくいきれていないニーズが見つかることもあります。お客様の声やアンケート、クレームなども参考にしてみてください。

ステップ2. 市場調査と競合分析

次に、アイデアの市場適合性と競争環境を分析します。ターゲット顧客のニーズ、既存競合の動向、市場トレンドなどを調査し、自社の位置付けを明確にすることが求められます。

ターゲットとなる市場を深く理解するために、地域的・人口統計学的・心理学的・行動的なセグメンテーションをそれぞれ分析し、外部環境がビジネスに与える影響を分析するPEST分析、競合と自社を比較し、戦略的な位置づけを見つけるSWOT分析などは必須です。正確なデータに基づいて戦略を構築することは、ビジネスモデルの構築と検証にとって重要な基盤となります。

ステップ3. ビジネスモデルの構築と検証

ビジネスモデルの明確化は、事業成功の基盤となります。収益構造、価値提供、顧客セグメントなどを検討し、仮説を立てて検証しましょう。プロトタイプの開発や顧客からのフィードバックを活用することで、効果的なビジネスモデルを構築できます。とくに念入りな検証が必要なのは、ビジネスモデルの選定、収益構造、資金繰り、顧客との関係性構築やチャネル戦略、リスク管理などです。

これらを構築しても、机上の空論となる可能性もあるため、最小サイズで実際の製品やサービスに近いプロトタイプでテストを行い、モニター顧客からのフィードバックを活用することもおすすめです。より実情に沿った形でサービス内容を事前に柔軟に調整できるため、事業を実現化する助けとなります。

ステップ4. 資金調達と予算管理

新規事業を行う際、自己資金で用意できない場合は、資金調達が必要になります。その場合、資金調達計画を作成し、銀行やベンチャーキャピタル、エンジェル投資家、クラウドファウンディングなどを通じて資金を集めます。資金調達後は、予算を立てて管理し、具体的な資金の使途と期待できるリターンを明確にすることが重要です。

ステップ5. チームビルディングと役割分担

成功するチームは、事業の心臓部分にあたります。適切な人材を集め、明確な役割と責任を与え、共通のビジョンに向かって動ける体制を作る必要があります。そのために取り入れたい点は以下のとおりです。

  • チームのビジョンと目標の設定
    事業の成功に向けて、共通のビジョンと目標を設定します。
  • 役割の定義と分担
    メンバーの個々の役割と責任を明確に定義します。RACIチャート(Responsible,・Accountable・ Consulted・Informed)は役割分担を明確化する有用なフレームワークです。
  • チームビルディングの取り組み
    定期的なミーティングを行うのはもちろん、リーダーとメンバーの1on1なども有効です。チームビルディングのワークショップを受け、ビジョンやイメージの共有ができるとなおよいです。
  • パフォーマンスの評価とフィードバックの仕組みを設ける
    チームの進捗と個々のメンバーの貢献を定期的に評価し、適切なフィードバックと調整を行います。結果が出るまで時間がかかりがちな新規事業の中で、メンバーのモチベーションを維持する要素にもなります。

ステップ6. マーケティングと販売戦略

製品やサービスを市場に打ち出すための戦略を立てます。対象となる顧客に対してどう価値を伝え、どのチャネルで販売するかを計画。続いて、主要顧客層を定めてニーズを理解した上でターゲット市場の特定し、製品やサービスの市場におけるポジショニング戦略を定めます。

その後、製品戦略・価格設定・プロモーション・販売チャネルの選定を行い(4P戦略)、顧客とターゲット市場に合わせた販売戦略を策定することで、どこで誰に何をどう売るかが見えてきます。効果的なマーケティングは、ブランド認知の向上と売上の増加に直結しますので、ここで綿密な戦略設計を練ることは欠かせません。

ステップ7. KPI設定と評価改善

最後に、事業の進捗を測定し改善するプロセスを設定します。KPI(主要業績評価指標)を定め、KPI計測に必要なデータを取得、定期的に分析し、必要に応じて戦略を修正します。

取得データがある程度取れた段階で、SWOT分析などのフレームワークを用いて初期に想定していた仮説と実情を検証し、レビューします。この継続的な評価と改善が、持続可能な成長へと導く道となります。KPIに基づく評価と改善の文化をチーム全体で共有し、全員が同じ目標に向かって取り組めるよう意識を擦りあわせ、対話を重ねていきます。

新規事業立ち上げ成功事例

ここで新規事業として社内でチームを立ち上げ、UX Design Lab運営の株式会社GIGが支援した、成功事例をご紹介します。

成功事例1. 日々のレシピを自動考案してくれる『うちレピ』アプリ立ち上げ

出典:サッポロホールディングス株式会社

サッポロホールディングス株式会社様の社内で行われたビジネスコンテストで、アプリ『うちレピ』の制作が決定。冷蔵庫の残り物を組み合わせてレシピを考える主婦の悩みを解消するアプリです。

新規事業として開発が始まった際、重要視したのはアプリの操作性です。そのため、プロトタイプを早めに作ってテスト検証を行い、アプリ内の機能的課題を早めに洗い出しました。結果、操作性を担保したアプリとして開発ができ、コアユーザーが“ワクワク”しながら日々直感的な動作で使ってもらえる形に仕上げました。

アプリは最初のリリース時からコアユーザーに楽しんで使えると体感されることがとても重要です。初回リリースがうまくいったことで利用ユーザー数も上昇傾向にあり、次のビジネス展開も考えやすくなったとお声をいただいています。

https://uchirepi.app/

成功事例2. 広告の利用率を下げられる集客サイトにリニューアル

出典:株式会社TOKIUM

様では請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」など3つのクラウドサービスを展開されています。これらを同一ブランドとして認識してもらえていなかったので、ブランドイメージのリニューアルを行うことと、リード獲得が広告頼りになっている点状況を変えたいと考え、サイトリニューアルのプロジェクトが発足しました。

重要視したのは、サービスをユーザーにどう見せたいかの認識の擦りあわせです。ブランド統一を図ることでサイト内のナビゲーションにも変化が波及しますので、とても大事な点です。TOKIUM様のプロジェクトチーム以外に、営業やカスタマーサクセスの部門の方も巻き込んで、進めました。

リニューアル後、「サイトの情報が整理されたことで、問い合わせいただくお客様の温度感が高まっていて、コミュニケーションがスムーズになった」とお声をいただいています。

https://www.keihi.com/

成功事例3. 回遊性の改善や強みを強化した自社サイトのリニューアル

出典:テモナ株式会社

テモナ株式会社様で、自社サイトのリニューアルを行なう新規事業プロジェクトが発足しました。ECサイト開設にまつわる工程を一気通貫で提供できるサービス「サブスクストア」のリニューアルで、自社の魅力がより伝わること、サイトの回遊性の改善などが課題でした。

リニューアル内容をまとめていくなかで、重要視したのは競合調査、他社との差別化、自社の強みの洗い直しです。「サブスクストア」は提供するサービスによってターゲットユーザーが変わる特徴があるため、ユーザーニーズに合わせて導線設計を行ない、各ユーザーが必要な情報を必要な形で閲覧できるよう設計しました。

結果、サービスの特色を競合他社と差別化できただけでなく、顧客ニーズに合わせた情報の出し分けも実現。離脱ユーザーが減少し、リニューアル前の課題が解消されていると伺っています。

https://subscription-store.com/

成功事例から見る、新規事業立ち上げに必要なポイント

成功事例を見ると、共通する要素や特定のポイントがあります。事例から学べる新規事業立ち上げに必要なポイントに焦点を当て、解説します。

ポイント1. ビジネスモデルの構築と検証を早い段階で実施

成功事例1では、早い段階でビジネスモデルの検証を行い、機能的課題をクリアにできたことが勝因となって、理想のユーザー体験を実現できました。

アプリ操作の実現性を開発初期段階でテストしたことで、無駄なコストと時間を削減。機能的課題の早期解決は開発プロセスをスムーズに進める基盤となり、サービスの品質向上にも貢献しました。また、理想のユーザー体験を早い段階で明確にできたことで、素早くユーザーニーズに適応し、持続的な成長を遂げることができました。

ポイント2. ユーザーとの関係構築のありかた全般を見直す

成功事例2では、ペルソナの再設定、カスタマージャーニーの見直し、ユーザーニーズの整理がとくにポイントになったと考えています。

ペルソナの再設定により、ターゲットとする顧客層への理解が深まり、より効果的なコミュニケーション戦略を展開することができました。カスタマージャーニーの見直しはユーザーの購買プロセスにおける各段階のニーズを把握し、適切なタイミングでのアプローチを可能に。加えて、ユーザーニーズの整理を通じてサービス全体の改善ができ、潜在顧客を顕在化させる道を開く結果に結びつきました。

その結果、広告を使わなくても情報を探しているユーザーにコンタクトできる環境を自社サイトで提供できるようになり、持続可能な成長を実現できたと言えます。

ポイント3.競合調査を行ない、戦略的なポジションを立て直した

成功事例3では、競合調査、他社との差別化、自社の強みの洗い直しを念入りに行いましたが、これらは事業の方向性を明確にする極めて重要な要素です。競合調査を行うことで市場の動向や他社の戦略を把握し、それをもとに自社のサービスや商品が他社とどう差別化できるかを検討することができます。

また、自社の強みの洗い直しを通じて、これまで気づかなかった独自の価値や機会を再認識し、それを市場にうまくアピールする戦略を練ることができたのも勝因のひとつです。

これら3つのステップにより、市場での競争力を高め、消費者の心を掴む独自の価値提案を構築することが実現できたと考えられます。

新規事業立ち上げの肝は、UX設計にある

本記事では新規事業を成功へと導くための戦略的な枠組みを解説してきました。ご存じのとおり、アイデアの概念化から市場分析、資金調達、事業計画、実装、成長戦略に至るまで、各ステップが重要な意味をもっています。

しかしながら、新規事業立ち上げは簡単ではありません。リスクの管理、資金の確保、競合との闘いなど、多くの課題と直面します。だからこそ成功事例を学び、事前の計画、市場の理解、柔軟な戦略の調整など、注意深く進めていく必要があります。

UX Design Labはユーザー視点・マーケティング視点の両面からWeb開発や新規サービス立ち上げ、サイト制作の戦略設計をサポートするUXコンサルティングサービスです。

本記事で解説してきたユーザーニーズの分析やマーケティング支援にも各分野のプロフェッショナルが支援いたします。自社の強みをより伸ばす新規事業を作りたい、マーケティング視点で自社サービスの改善を行いたい方の信頼できる指針となり、想いを現実にするご提案をいたします。

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UX Design Lab編集部
記事を書いた人 UX Design Lab編集部
UX Design Labは、ユーザー視点・マーケティング視点の両面からWeb開発や新規サービス立ち上げ、サイト制作の戦略設計をサポートするUXコンサルティングサービスです。UXデザインでユーザー視点での本質的なニーズを見出し、現状の課題を発見・分析・改善します。編集部からはUX設計や事業立ち上げ、マーケティングに関わる有益な情報を、識者の目線から提供いたします。

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