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新規事業アイデアの出し方と活用できるフレームワーク4選【完全ガイド】
目次
新規事業アイデアを出すのは簡単なことではありません。どんなに数多くのアイデアを出せたとしても、ユーザーニーズは満たしているのか、収益は得られるのか、など事業創出に繋げるにあたってさまざまな要素を考慮する必要があるでしょう。
この記事では、事業創出に結び付く新規事業アイデアの出し方と、アイデア出しに活用できるフレームワークをご紹介します。
アイデアが新規事業につながる3つの視点とは
新規事業として成功するアイデアを出すには、3つの視点が大切です。まずは、以下の視点をもとにどんなアイデアが事業に結び付くのかを確認しましょう。
独創的であるか
独創的なアイデアとは、これまでになかった新しい価値を提供できるアイデアのことです。似たような既存のアイデアがあったとしても、そこに新しい価値や独創的な要素が加われば、差別化や競合優位性を生み出せます。
課題解決できるか
市場にはまだ存在しない、もしくは十分に満たされていないユーザーニーズや課題を解決するアイデアであるか、も重要です。ユーザーが抱える課題の原因やユーザーニーズの背景を調査・理解し、その根本的な解決策を提供できているかを確認しましょう。
収益を得られるか
新規事業アイデアを考える際には、収益が見込めるかも検証しましょう。収益を得られるかどうかは、市場の需要や競合の状況、自社の強みやコストなどによって決まります。SWOT分析やビジネスモデルキャンバスなどのフレームワークも活用しながら、アイデアの収益性を検証すると良いでしょう。
成功する新規事業アイデアを見つける4つの方法
成功する新規事業アイデアを見つける方法として、以下4つをご紹介します。アイデアの素案出しに悩まれている新規事業開発の担当者は参考にしてみてください。
日常的に感じている不便や悩みをヒントにする
毎日さまざまなシーンで、もっと便利になればいいのに、もっと快適になればいいのに、と思うことはあるでしょう。それらはすべて、新規事業アイデアのヒントになり得えます。
たとえば、通勤中に電車が混んでいてイライラするとき、自分だけでなく他の人も同じように感じているはずです。そこで、電車の混雑を解消する方法や、通勤時間を有効活用する方法を考えてみると、新規事業アイデアが浮かぶかもしれません。
日常的に感じている不便や悩みは、自分だけでなく他の人も共感できるものです。それらを解決するためのプロダクトを提供できれば、新規事業アイデアとして成功する可能性は高くなるでしょう。
自社の強み・弱みを他分野に応用する
自社が得意とする分野や苦手とする分野を明確にし、それらを別の業界や市場に転用することで、新たな価値提供や競合との差別化を図ることができます。
たとえば、自社の強みとして、高品質な化粧品を販売することだとします。この場合、その化粧品をそのまま他分野に展開するのではなく、高品質な化粧品を販売するために必要なノウハウや技術、品質管理などを、医療や介護などの他分野に応用できるかもしれません。
このように、自社の強み・弱みを他分野に応用することで、自社の競合優位性や競争力を活かしつつ新しい市場のニーズに応えられるのです。
既存要素を組み合わせて新しい付加価値を生み出す
すでに市場に存在する製品やサービス、技術、知識などの要素を組み合わせることで、新しい価値を提供できます。たとえばUberは、タクシーとスマホアプリを組み合わせて、移動の利便性を高めるサービスとして新しい価値を生み出しています。
しかし、既存要素を組み合わせるだけでは、新規事業アイデアが成功するとは限りません。重要なのは、組み合わせた要素がどのような新しい付加価値を生み出すかということです。誰に対して何の課題を解決するか、自社の強みや競合優位性をどのように応用できるか、どのような収益モデルやコスト構造があるか、などを明確にすると良いでしょう。
成功しているビジネスモデルを他業種に応用する
成功している既存ビジネスや収益モデルを、新しい市場やユーザー層などに応用することで、新規事業アイデアを生み出します。たとえばNetflixは、レンタルビデオ店のビジネスモデルをインターネットに応用し、動画配信サービスとして世界的な成功を収めました。
しかし、ただ応用するのではなく、他業種の市場分析やユーザー調査を行うほか、市場環境やユーザーニーズにあわせて既存のビジネスモデルを改良していくことが重要です。
新規事業の成功事例については、以下の記事で詳しく解説しています。新規事業アイデア出しの参考になるかもしれません。
新規事業アイデアを生み出すフレームワーク4選
ご紹介した4つのアイデアの見つけ方のほか、フレームワークを活用しながらアイデアの発想を広げる方法もおすすめです。この記事では、さまざまなフレームワークのなかでもアイデア出しに有効なものを4つご紹介します。
マンダラート
マンダラートとは、3×3の9マスを置き、真ん中にテーマ、そのテーマに関連するアイデアを周りの8マスに書いていくフレームワークです。たとえば、真ん中に「ペット」というテーマを置いた場合、その周りには「犬」「猫」「グッズ」「フード」などのアイデアを書きます。
また、関連するアイデアを真ん中に置き、それに関連するアイデアをさらに周りの8マスに書いていくことで、最初に置いたテーマを深掘りしたり発散させたりすることができます。
スキャンパー法
スキャンパー法とは、以下7つの質問を通してアイデアを発散していくフレームワークです。スキャンパーという言葉は7つの要素の頭文字を取ったもので、質問に答えていくことでアイデアを広げていきます。
- Substitute(置き換える):他のアイデアに置き換えられるか?
- Combine(組み合わせる):他のアイデアと組み合わせられるか?
- Adapt(適応させる):他の環境や状況に適応できるか?
- Modify(変形させる):アイデアの修正や一部変更によって新しい価値を生み出せるか?
- Put to another use(別の用途に使う):他の用途で応用できるか?
- Eliminate(削除する):不要な部分の削除によって新しい価値を生み出せるか?
- Reverse(逆転させる):プロセスの逆転や並び替えによって新しい価値を生み出せるか?
6W2H
6W2Hとは、以下8つの項目をもとに、抽象的なアイデアを整理し、具体化していくフレームワークです。
- Who(誰が)
- Whom(誰に)
- What(何を)
- Why(なぜ)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- How(どのように)
- How much(どれくらい)
6W2Hを使って新規事業のアイデア出しをする場合は、以下の手順で進めると良いでしょう。
- まずは、自社で解決したいユーザーの問題やニーズを明確にします。Who(誰が)とWhom(誰に)でターゲットを考えましょう。
- 次に、自社が提供できる価値を検討します。What(何を)でどんな価値を、How(どのように)でどのような形でユーザーへ届けるのかを、Why(なぜ)で自社が行う必要性を考えることで、ビジネスモデルや競合優位性が見えてきます。
- 最後に、価値を提供するタイミングや場所、価格を考えます。When(いつ)、Where(どこで)、How much(どれくらい)を考えることで、価値提供の方法や収益性が見えてきます。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、ひとつの問題に対して、原因や課題、解決策を分解し、構造化していくフレームワークです。ユーザーが抱えている悩みを起点に、その悩みの原因や仮説、解決策などをMECEで洗い出し整理することで、ユーザーニーズをより客観的に分析できます。
そのほか新規事業を立ち上げる際に活用できるフレームワークについて、以下の記事で詳しく解説しています。
新規事業アイデアを集めるコツ
自社チーム内でアイデアを発散することが難しい場合は、社外の方が参加するワークショップや、新規事業開発の経験が豊富な外部コンサルタントを活用することもおすすめです。
ワークショップに参加する
ワークショップに参加することで、ふだんは接することのない専門家や他業界の方の視点や知識を得られたり、それによって自身の思考や発想を広げられたりできます。
すでに新規事業アイデアがいくつかある場合は、フィードバックや評価を受けることもできるでしょう。
外部コンサルタントを活用する
外部コンサルタントを活用することで、新規事業アイデアや事業化においてのアドバイスや支援を受けられます。
また、新規事業アイデアの内容や競合優位性を客観的に評価してもらえたり、新規事業の戦略立案やビジネスモデルを構築する際のノウハウやツールを共有してもらえたりなどのメリットもあります。
成功できる新規事業のアイデア出しにはコンサルタントを活用しよう
この記事では、新規事業アイデアの見つけ方や、アイデア出しに活用できるフレームワークをご紹介しました。
事業として成り立つアイデアには、独創的であるか、課題解決できるか、収益を得られるかの3つの視点が重要です。しかし、競合優位性のある独創的な要素はあるのか、本当にユーザーの課題を解決できるのかなどの疑問からアイデアを客観的に評価できず、収益を得られる事業として成り立つのか悩んでいる担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
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