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BtoC・BtoBの新規事業成功例を紹介!成功・失敗を分けるポイントとは

BtoC・BtoBの新規事業成功例を紹介!成功・失敗を分けるポイントとは

目次

新規事業を立ち上げるからには、誰しもが成功させたいと思うもの。しかし、アイデアがなかなか思い浮かばなかったり、事業開発の経験がなかったりすると、新規事業を成功させられるか不安に感じてしまうでしょう。

そこでこの記事では、参考にしたい6つの新規事業成功例と、成功・失敗を分けるポイントについて解説します。新規事業のアイデアの生み出し方も紹介しているため、あわせて活用してみてください。

【BtoC】新規事業の成功例3選

まずは、BtoCのサービスから新規事業の成功例を3つご紹介します。

三菱UFJ信託銀行「Dprime」

Dprime」は、三菱UFJ信託銀行による情報銀行サービスです。情報銀行とは、ユーザーのデータを管理・利活用する(ユーザーの明示的な同意にもとづく)事業のことを指し、ユーザーは情報提供の対価としてギフト券やクーポンを受け取れます。この仕組みが、預金をすると利息が付く銀行に似ていることから、情報銀行と呼ばれています。

そんな情報銀行は、個人のデータを管理・運用するという点で信託銀行業務と親和性が高く、「Dprime」は既存事業のノウハウを新規事業に応用し、成功した例といえるでしょう。また、ユーザーのアンケートをもとに商品開発を行う「パーソナルデータを活用した共創プロジェクト」など、銀行としての枠組みを超えた新規事業にも取り組んでいます。

キリン「ホームタップ」

ホームタップ」は、キリンによる会員制の生ビール定期配送サービスです。家庭用ビールサーバーは無料でレンタルでき、工場から直送される生ビールの「作りたての美味しさ」を自宅で気軽に楽しめます。

いまや10万人以上の会員を抱える「ホームタップ」ですが、その始まりは100人ほどのユーザーへのテスト提供でした。そして、正式にサービスをローンチしたのは、開発開始から約2年後のこと。その間ユーザーの声を聞きながら改善を重ね、事業としてのクオリティを高め続けていたのです。

「ホームタップ」が新規事業として成功したポイントは、スモールスタートで仮説検証を繰り返したこと。市場の反応を見ながら開発を進めることでリスクを抑えつつ、ユーザーニーズに的確に応える新規事業のローンチが実現しました。

ヤマト運輸「メンテナンスサポート」

ヤマト運輸では、2008年より家電製品・業務用機器メーカーの修理サポートを行っています。故障品の引き取りから修理、代替機や修理品の配送まで、修理に関わる幅広いソリューションを自社の物流センターで展開しており、物流大手ならではの設備やネットワークを活用しているところが特徴です。

一見すると物流事業と関連性がない家電メンテナンス事業ですが、物流業務で培った「荷物を受け取る・配送する」ためのリソースやノウハウに新たな可能性を見出すことで、「メンテナンスサポート」という新規事業が誕生。修理依頼を受けてから最短3日で返却する、という圧倒的なスピードを武器に、現在も顧客数を伸ばし続けています。

【BtoB】新規事業の成功例3選

続いて、BtoBのサービスから新規事業の成功例を3つご紹介します。

エムスリー株式会社「M3.com」

M3.com」は、日本最大級の医療従事者専用サイトです。現在は医療従事者向けのさまざまなサービスがサイトに集約されていますが、始まりは製薬会社が医師向けに情報提供を行う「MR君」というサービス。「MR君」は、これまでMRを通し対面で行っていた製薬会社と医師とのコミュニケーションを、オンライン上で可能にした画期的なものでした。

多数の医師が利用登録したため、このネットワークを活かして「治験君」や「アスクドクターズ」、医師のキャリア支援サービスなど、新規サービスが続々と誕生。既存事業で獲得した30万人以上の医師(ユーザー)が頻繁にアクセスする場としての強みを活用して、多方面に新規事業を展開していきました。

弁護士ドットコム「クラウドサイン」

クラウドサイン」は、契約の締結、契約書の保管・管理がクラウド上で完結する電子契約システムです。契約を結ぶ際に「紙と印鑑」を使う日本ならではの文化によって、契約プロセスが世界と比べて長期化してしまう問題意識から開発されました。

コロナ禍の後押しもあり、現在は国内130万社以上で導入されるなど、急成長を遂げています。既存業務や業界への問題意識から新規事業を開発し、大きく成功した例といえるでしょう。

jinjer株式会社「Jinjer」

Jinjer」は、勤怠管理や経費精算、給与計算など、バックオフィスに関する業務を1つのSaaSに集約したサービスです。これまでバックオフィス向けのSaaSは存在していたものの、用途や目的によって使い分けなければいけないケースが多く、複数のSaaSを採用していることによる情報管理の工数が負担となっていました。

そこで、「バックオフィスに関する業務を1つのSaaSで完結させたい」という潜在的なニーズに着目し、それに応える形で「Jinjer」が誕生。元々は株式会社ネオキャリアの新規事業としてスタートしましたが、現在は分社化し、事業自体も成長し続けています。

新規事業が成功するポイント

新規事業を成功させるためには、以下5つのポイントを押さえることが大切です。

参入する市場を見極める

市場調査が不十分だと、すでにシェアの大半を占めている企業が存在している市場や、将来性のない市場に参入してしまうことも。そのため、新規事業を立ち上げる前に、まずは参入しようとしている市場の調査をしましょう。市場調査をすることで自社の強みと弱み、市場のトレンドやニーズを知ることができるため、自社にとって優位な市場を見極められます。

ターゲットを明確に定める

新規事業を成功させるためには、ターゲットを明確に定めることが大切です。「ターゲット」という共通認識があると、事業の方向性がブレることなく、ユーザーニーズに沿った事業開発ができます。

そして、ターゲットが定まったら、より具体的なユーザー像・ペルソナも設定してみましょう。以下で「ペルソナ設定シート」の作り方を紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。


ペルソナ設定シートの作り方|toBとtoCの両方を紹介|UXデザインラボ|アプリデザイン/システム開発

サービスの改善や開発をするうえで必要な架空のユーザー像「ペルソナ」。具体的な設定項目がわからなかったり、1から設定することに難しさを感じたり……と、ペルソナを設定する際につまづいてしまったことはありませんか? そんなときに活躍するのが、ペルソナ設定のフォーマット「ペルソナ設定シート」です。  この記事では、ペルソナ設定シートの作り方やメリット、作成時の注意点について解説します。

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自社の強みを応用する

既に持っている自社の強みを応用するのも、新規事業を成功させるポイントです。既存事業のリソースやノウハウを他分野に応用することで、新規事業として展開させやすく、成功する可能性も高くなるでしょう。
新規事業を立ち上げる際は、改めて自社の強みについて分析することが必要です。参入しようとしている市場で強みがどのように有利に働くか、検証してみましょう。

積極的に人材を育成・採用する

人材の成長と事業の成長は相互関係にあり、新規事業を成功させるためには積極的な人材の育成・採用が求められます。まずは、担当社員の役割を明確にし、責任感を持って業務にあたるよう教育しましょう。また、新規参入する業界のスペシャリストや、事業開発の経験が豊富な人材の採用を検討することもおすすめです。

スピーディーに検証サイクルを回す

初めから完璧なものを目指そうと開発に時間をかけすぎてしまうと、ローンチが遅れて競合他社に先を越されてしまったり、ユーザーからのフィードバックを反映させるのが遅れてしまったりします。そのため、新規事業を開発する際はスピーディーに検証サイクル(仮説を立てる→検証→修正)を回すことが大切です。検証サイクルを回し、改善を繰り返していくことで、よりユーザーニーズに沿った事業へブラッシュアップできます。

また、ユーザーやクライアントのフィードバックを受けながら完成を目指す開発手法として「プロトタイプ開発」があります。以下でプロトタイプ開発の特徴や工程について紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。


プロトタイプ開発とは?メリット・デメリット、他の開発手法との違いを解説|UXデザインラボ|アプリデザイン/システム開発

プロトタイプ開発とは、プロダクトの試作品である「プロトタイプ」を作成し、ユーザーやクライアントのフィードバックを受けながら完成を目指す開発手法です。完成品のイメージを共有しながら開発を進めていくため、発注側・開発側で認識のズレが生じることを防げます。 この記事では、そんなプロトタイプ開発の特徴や工程、他の開発手法との違いについて解説します。

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新規事業が失敗してしまうポイント

ここからは、新規事業が失敗してしまうポイントを3つご紹介します。

市場調査が不十分である

市場調査が不十分だと、ユーザーニーズを汲み取りきれず、新規事業が失敗してしまいます。そのため、新規事業を開発する際は、今後成長が見込まれる市場か、参入障壁が高くないか、自社の強みを応用できるか……など、入念な市場調査を行うことが大切です。

自社で市場調査を行うリソースがない場合は、コンサルティング会社や専門の調査会社に依頼するのも一つの方法です。

リソースが不足している

費用や時間、人員のリソース不足も、新規事業が失敗してしまうポイントです。たとえ入念に準備をしていても、予想外のトラブルで費用がかさんでしまったり、スケジュールが遅延してしまったりすることは考えられます。

そのため、リソースにはある程度のバッファを持たせておくことがおすすめです。無理なリソース配分をしてしまうと、既存事業まで疎かになってしまう恐れがあります。

仮説検証に時間をかけすぎている

新規事業を開発する中で、仮説検証や意思決定に時間をかけすぎてしまうとスケジュールが遅延してしまったり、移り変わる市場からのニーズに応えられなくなったりしてしまいます。

まずは新規事業をスモールスタートさせて、ユーザーの反応を見ながら徐々に改善を重ねていくようにしましょう。

新規事業のアイデアの生み出し方

最後に、新規事業のアイデアの生み出し方をご紹介します。新規事業のアイデアが思い浮かばず悩んでいる方は、以下の方法を参考にしてみてください。

日常的に感じている不便や悩みをヒントにする

新規事業のアイデアは、意外と身近で見つけられるもの。日常的に感じている不便や悩みがあれば、ビジネス、プライベートを問わずメモをしておきましょう。何気ない発見が、画期的な新規事業を生み出すヒントになるかもしれません。

自社の強みを他分野に応用する

まったく新しいことを始めるのではなく、既存事業で培った強みをフックに新規事業のアイデアを考えるのも一つの方法です。他分野に応用できそうなノウハウやリソースがないか、既存事業のユーザーに新たなニーズがないか、視野を広げてみましょう。

フレームワークの活用もおすすめ

新規事業のアイデアを考える際は、ペルソナ分析やアナロジー分析、スキャンパー法、PEST分析、3C分析、SWOT分析などのフレームワークを活用するのもおすすめです。フレームワークはアイデアを引き出してくれるだけでなく、チーム間でアイデアを共有しやすいというメリットもあります。

新規事業成功のために、市場調査とターゲットの整理から始めよう

新規事業を成功させるためには、市場調査、明確なターゲティング、自社の強みを応用すること、積極的な人材の育成・採用、スピーディーに検証サイクルを回すことが必要です。まず特に、新規事業を立ち上げるうえで最初に行うべきなのは「市場調査」。そもそも参入する市場を見誤ってしまうと、新規事業は失敗に終わってしまいます。また、「ターゲット」という共通認識をチーム内でもつことで、事業の方向性がブレることなく、ユーザーニーズに沿った事業開発が可能です。

しかし、ユーザーニーズを正確に捉えているのか、そのニーズを事業内容に反映できているのかなど、ターゲット調査を行うにあたって悩みを抱えている方も多いでしょう。UX Design labでは、そんなペルソナ設定をはじめとした新規事業立ち上げのサポートを行っております。まずは、ペルソナ設計のワークショップなどを通してユーザーが抱える課題やインサイトを分析し、ペルソナを設定。ワークショップやユーザーインタビューから仮説の精度を高め、貴社の事業が提供できる価値をご提案します。

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UX Design Lab編集部
記事を書いた人 UX Design Lab編集部
UX Design Labは、ユーザー視点・マーケティング視点の両面からWeb開発や新規サービス立ち上げ、サイト制作の戦略設計をサポートするUXコンサルティングサービスです。UXデザインでユーザー視点での本質的なニーズを見出し、現状の課題を発見・分析・改善します。編集部からはUX設計や事業立ち上げ、マーケティングに関わる有益な情報を、識者の目線から提供いたします。

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