Column
新規事業立ち上げのキホンの“キ”|プロセスや失敗しないためのポイントを解説
目次
新規事業を立ち上げることは、売上の拡大や既存事業への依存を防ぐために有効な手段です。新規事業を成功させられれば、新たな収益源が生まれ、企業の成長につながるでしょう。しかし、「新規事業の立ち上げ方がわからない」「新規事業のアイデアが浮かばない」といった悩みを抱えたまま、一歩を踏み出せずにいる方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、新規事業立ち上げのキホンの“キ”として、プロセスやアイデアを出す方法を解説。成功事例や失敗させないためのポイントも紹介しているため、新規事業を立ち上げる際の参考にしてみてください。
新規事業立ち上げの重要性
新規事業を立ち上げることが重要視されている背景には、市場環境が変化するスピードにあります。市場環境が急速に移り変わる昨今において、企業が一つの事業で長期的に成長し続けることは難しくなってきているのです。
たとえば、新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴う人々の需要の変化や、少子化による市場の縮小といった外部環境の変化により、主力事業の売上が大きく低下した企業は多数存在しています。そのため、企業にとって新規事業を立ち上げ、新しい価値を提供することは重要だといえるでしょう。
また、新規事業を立ち上げることには「幹部候補の育成」というメリットもあります。
新規事業の立ち上げや運営には、市場調査や計画、実行や改善といったさまざまな業務が発生するうえ、自社の立ち位置や経営状況などにも目を配ることになります。そのため、新規事業を担当する社員は、これらの業務を通して会社や市場の状況を把握する広い視野が身につくでしょう。市場環境がめまぐるしく変化していく中で安定的に会社を成長させるためにも、物事を広い視点で捉えられる社員を育成することは重要です。
新規事業立ち上げのプロセス
ここからは、新規事業を立ち上げるプロセスを3つのステップで解説します。より詳細に知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
STEP1:アイデア出しや市場調査を行う
新規事業を立ち上げる際にまず行うことは、アイデア出しや市場調査です。ブレインストーミングやマインドマップなどを活用し、新規事業のビジネスアイデアを考えていきます。アイデアが出揃ったら、社会課題や市場の状況を調査。類似する事業の業績や公的機関による調査結果などを参照し、発案したアイデアにニーズがあるか、競合よりも優位性があるかなどを調べましょう。
また、市場調査だけでなく、ターゲットとなるユーザーにアンケートやインタビューを行うことも大切です。ここで着目すべきは、ユーザー本人も自覚できていない本質的かつ潜在的な悩み「ユーザーインサイト」です。アンケートやインタビューを通してユーザーインサイトを見つけることができれば、より優位的なアイデアを生み出せるかもしれません。
STEP2:アイデアをモデル化した上で事業計画を立てる
新規事業のアイデア出しや市場調査を行ったあとは、事業化するアイデアを事業計画へ落とし込みます。収益化する方法やリソースなどの視点でアイデアを深掘りし、事業運営を成り立たせるための具体的な要素を考えていきましょう。完成したモデルはプロトタイプなどを活用して検証を行い、実現可能性があるか確認することが重要です。
また、アイデアのモデル化だけではなく、新規事業を運営する際の指針となる事業計画書の作成も欠かせません。事業計画書には事業のモデルだけでなく、「何年で黒字化させるのか」といった財務計画や事業で考えられるリスクも記載しましょう。そうすることで、新規事業のアイデアをより実現可能性のあるものにできたり、投資家やパートナー企業に対して事業の魅力や優位性が伝わりやすくなったりします。
STEP3:事業を開始し、改善を繰り返す
事業計画書が完成したら、いよいよ新規事業の立ち上げです。事業計画書に沿って目標やスケジュールを明確にし、チームで協力して事業を進めましょう。
新規事業の運用で注意しなければいけないのは、「常に不確実性や変化に対応する必要がある」という点です。市場の動向は日々変わっていくため、事業計画書通りに事業を運用していても、安定的に利益が得られるとは限りません。よって、新規事業がスタートしたあとも定期的に状況を分析し、ビジネスモデルや計画の改善を行うことが大切です。
新規事業の成功事例
新規事業のアイデアのヒントとなる、成功事例を3つご紹介します。
企業名「サービス名 | 概要 | 成功要因 |
---|---|---|
三菱UFJ信託銀行「Dprime」 |
|
|
弁護士ドットコム「クラウドサイン」 |
|
|
jinjer株式会社「Jinjer」 |
|
|
これらの事例のように、日常的に感じている不便や悩み、既存事業で積み重ねたノウハウが新規事業の創出につながるかもしれません。新規事業の成功事例については、以下の記事で詳しく解説しています。BtoB、BtoCそれぞれの成功事例を紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
新規事業のアイデアを出す方法
新規事業を立ち上げる際につまづいてしまうのが、「そもそもアイデアが浮かばない」という状況ではないでしょうか。そこで役立つのは、競合他社の分析です。競合他社を分析することで自社を見つめ直すきっかけになり、他分野に活用できる強みや、既存事業で補えていない弱みが見つかるかもしれません。
また、既存事業のユーザーが抱えている悩みを深掘りすることで思わぬニーズが発覚し、新規事業のヒントが見つかることも。新規事業のアイデア出しに悩んだら、外部の情報やユーザーの声を参考にし、新規事業に必要なインスピレーションを得るようにしましょう。
新規事業のアイデアを出す方法は、以下の記事でも解説しています。「なかなかアイデアが思い浮かばない」という方はぜひご覧ください。
新規事業を失敗させないためのポイント
ここからは、新規事業を失敗させないためのポイントを3つ紹介します。
フレームワークを活用してみよう
新規事業を立ち上げる際は、市場のニーズや競合の動向など、さまざまな情報を把握しなければいけません。しかし、これらの情報収集や分析を抜け漏れなく行うのは難しく、時間もかかります。そこで役立つのが、フレームワークです。フレームワークとは、あらかじめ記載する内容が決まっているテンプレートのこと。考えるべき内容があらかじめ明示されているため、効率よく思考を整理できます。また、フレームワークの活用を通じて、思考が足りていない要素も特定できるでしょう。
新規事業でフレームワークを活用する方法は、以下の記事で詳しく解説しています。現状の課題や事業の方向性などを整理したい方はぜひご覧ください。
プロダクト開発だけではなく、マーケティング戦略まで意識しよう
新規事業を立ち上げる際、プロダクト開発に注力するのは大切なことです。しかし、どれだけすばらしいプロダクトであっても、ユーザーに届かなければ売上は生まれず、新規事業が成功したとはいえません。そのため、4P分析(製品・価格・チャネル・プロモーション)などを通してマーケティング戦略について考えることが大切です。市場規模やユーザーニーズを踏まえ、どのようにプロダクトをアピールすればユーザーに届くのか、しっかり検討しましょう。
新規事業のマーケティングについては、以下の記事で詳しく解説しています。新規事業におけるマーケティング戦略のポイントについて知りたい方はぜひご覧ください。
助成金を活用してコストを抑えよう
助成金を活用することも、新規事業を失敗させないための重要なポイントです。避けられない外部環境の変化などによって、新規事業が計画通りに運用できないことも多々あります。そのため、最初は助成金を活用して初期費用を抑え、スモールスタートさせることがおすすめです。リスクを抑えるためにも、事業が軌道に乗ってきたら徐々に予算を増やしていくのが良いでしょう。新規事業を失敗させないためには、リスク管理と資金管理が不可欠なのです。
新規事業に関する助成金については、以下の記事で紹介しています。「新規事業はなるべく支出を抑えてスタートしたい」と考えている方はぜひご覧ください。
新規事業は“ターゲット”と“ニーズ”を明らかにしてから立ち上げよう
新規事業の立ち上げは、「アイデア出し・市場調査」→「事業計画の立案」→「事業運営・改善」というプロセスが一般的です。また、新規事業を失敗させないためには、フレームワークを活用して思考を整理し、ターゲットとニーズを明らかにすることが大切。事業の方向性や優位性を明確にし、効果的なマーケティング戦略を立てましょう。そして、なるべくリスクを抑えるためにも、助成金を活用しながらスモールスタートで事業を始めることがおすすめです。
UX Design Labでは、ペルソナ設計をはじめとした、新規事業の立ち上げに必要なご支援を行っています。また、リリース後のコンテンツマーケティングや運用改善にも対応しており、事業の成功を継続的に支援します。新規事業の立ち上げでお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
ペルソナ設計・ターゲット設計競合調査の詳細はこちら
UX Design Labの詳細はこちら
UX Design Labのお問い合わせはこちら
UXデザインで課題を発見・分析・改善
事業の成功まで伴走するパートナーとなります。