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新規事業開発

新規事業創出で直面しがちな3つの課題と解決方法を解説

新規事業創出で直面しがちな3つの課題と解決方法を解説

目次

新規事業を創出することは、起業家や経営者にとってまさに冒険です。未知の市場への挑戦、新たなユーザーとの接点の構築、そして組織の変革、これらはすべて、大きなリスクを伴いながらも、成功への大きなステップとなるものです。しかし、新規事業のアイデアや市場調査は滞りなく進められたとしても、実際の運営になると、多くの課題が立ちはだかります。これらを事前に知ることで、リスクを回避し、成功確率を高めることができます。

本記事では、新規事業創出で直面しがちな課題とその解決方法を解説していきます。マーケティングから資金繰り、組織の文化や体制まで、多岐にわたる課題を掘り下げ、それぞれの課題を克服する実践的なヒントをお伝えします。

新規事業の課題とは何か?

新規事業が難しいのは、市場の不確実性です。既存事業と異なる市場やユーザーにアプローチすることが多いため、その市場のサイズ感や成長性、競合の動向などを的確に把握するには少し時間を要します。次に、適切なビジネスモデルの確立も重要な課題の一つです。新しい市場や技術を用いても、それをどう収益化するか、どんなビジネスモデルが最適なのかは、試行錯誤を伴うプロセスを経てみないとわかりません。

そして、人材や組織の課題もあります。新しい分野や技術に関する専門知識やスキルを持った人材をどう確保するかも大きな課題です。既存の組織文化と新規事業とのミスマッチも生まれる可能性があります。

最後に、資金調達の課題も挙げられます。新規事業は比較的大きな初期投資が必要で、収益が上がるまでの間、資金の継続的な供給が求められますが、いつ初期投資が回収できる状態になるかは誰にもわかりません。適切な資金調達の方法やタイミングを見極めることは、新規事業の存続に直結する大きなテーマです。

課題1:マーケティング・販売・集客の課題

新規事業の立ち上げや発展において、マーケティング・販売・集客はその中心となる要素です。ビジネスモデルの策定から適切な市場の見極め、さらにはターゲットユーザーの明確化まで、経営者や起業家の頭を悩ませる要因は尽きません。これらの課題にどう対処し、どのようにそれを乗り越えるかが、新規事業の存続や成功に直結します。

ここでは、マーケティング・販売・集客に関連する主な課題と、それに立ち向かうためのポイントに焦点を当て、よくある悩みにどう対処すればいいかご紹介します。

ビジネスモデルがまとまらない

多くの起業家や経営者が最初に直面するのが「ビジネスモデル策定」の難しさです。ビジネスモデルとは、事業の核心、つまり商品やサービスをどう提供し、どう収益を上げるかの設計図のことです。実際、アイデア段階では、多くの要素が曖昧で、具体的な内容は固まりにくいもの。ユーザーニーズや市場の動向、競合との関係、リソースの制約など、多岐にわたる要因を統合してビジネスモデルにまとめるのは、簡単なことではありません。

ですが、ビジネスモデルが不明確なまま進めてしまうと、中途半端な戦略や投資やリソースの浪費、市場での競争力喪失といったリスクが生じます。事業で成功するには、これらの要素を正確に捉えて戦略を立てることが必要です。

筋の良い事業の見極めができない

「筋の良い」事業、すなわち持続可能で収益性の高い事業を見極める能力は、経営者や起業家にとって極めて重要なスキルです。見極めには、深い市場調査や正確なデータ分析が必要です。単に「良いアイデア」を持っているだけでは不十分で、実際のビジネスとして展開するためのリソースや戦略、そしてビジネスを展開する環境そのものを理解することが求められます。

くわえて、時代のニーズに合致し、将来の変化にも柔軟に対応できる持続性も備えているとなお良いでしょう。このような視点があると、事業の成功の可能性を高め、長期的な成長を目指すことができます。進出を考える市場調査からまず手をつけ、自社ならではの“勝ち筋”をイメージするところから考えてみてください。

ターゲットの明確化が不十分

新規事業の成功に欠かせないのは、「誰のための事業か」を明らかにし、ターゲットとなるユーザー層を特定することです。ターゲットが不明確であると、マーケティング活動や商品開発、サービスの提供など、あらゆる面で効率的な取り組みが難しくなります。結果として、リソースの浪費や市場での競争力の低下を招く恐れがあります。

たとえば、「すべての方に喜んで使ってもらえる商品」を目指すのは一見魅力的に見えますが、ニーズが異なるユーザー層を同時にターゲットとするのは難しいもの。結果、どの層にも喜んでもらえない中途半端な商品やサービスを生み出すことになってしまいます。ゆえに、誰のための事業かを明確にし、想定するユーザーのための最適な戦略を立て、リソースを集中的に投下できるようにする。そのことを最優先で考えてください。

課題2:資金・資源・人材の課題

事業の立ち上げや成長過程では、資金・資源・人材の確保が欠かせません。とくにスタートアップや中小企業の場合、資金的な制約や人材不足、専門知識の欠如など、さまざまな壁に直面しやすいもの。適切な投資判断やキャッシュフローの安定確保も、事業継続に欠かせない要素となります。

ここでは、新規事業を担当する経営者や起業家が考えたい資金・資源・人材に関連する課題に焦点を当て、その実態と解決へのアプローチの仕方をご紹介します。

人手が足りない

どんな組織でも「人手が足りない」と感じていますが、これは単なる人数の不足ではなく、特定のスキルや経験を持った人材の不足を指すことも多いです。

事業の初期段階では、多岐にわたる業務を少数のメンバーが兼任しながら担当しますが、事業が成長し、業務が複雑化・専門化すると、業務量と専門性に応じた人材を確保する必要が出てきます。リーダーの立場にある方は、そうなることを前提にメンバー構成を考えておくと、後から慌てず人材探しにあたることができます。

人手不足の解決策としては、外部の人材を頼ったり、業務の効率化やアウトソーシングなど、多岐にわたる方法が考えられます。組織の状況やニーズに応じて適切な手法を選択しましょう。

テクノロジーの進化や市場の変化に伴い、新しいスキルや知識が求められる場面も増えています。このような状況下では、人を雇わなくてもテクノロジーで解決できる場合もあるので、そういった局面に対処できるメンバーがいると、コストを小さく抑えながら組織の競争力を維持することもできます。

戦略投資ができていない

事業を成功させるためには、単に資金を注ぎ込むだけでなく、使い道や投資先を戦略的に選ぶ重要度が極めて高いことはおわかりいただけると思います。多くの経営者や起業家が直面する「戦略投資ができていない」という課題は、経営資源の非効率な活用がおもな原因です。

事業の初期段階では、多くのチャレンジを乗り越えるための投資が必要とされますが、資金やリソースは当然限られています。この限られたリソースをどこに焦点を当てて使うかの判断は、事業の方向性や成果を左右する肝となります。

たとえば、新技術の研究開発、新市場への進出、人材の育成や獲得、ブランドの構築など、投資が必要な領域は多く存在します。しかし、すべてに均等に資金を配分すると、どの領域に対してもインパクトのある投資にはなりません。中長期のビジョンや目標に沿った投資計画を策定し、優先度の高いものから実行します。

そのために必要なのは、事業の現状分析、市場のトレンド把握、競合分析などの情報収集と分析です。綿密な戦略を立て、実施します。

キャッシュフローの不安定性

新規事業の初期段階では、高額の初期投資や広告・宣伝費、開発費などの出費が発生する一方で、収益が安定していないことが多いため、キャッシュフローが赤字になるリスクが非常に高いです。期待した売上が伸び悩んだり、突発的な出費が発生するなど、資金繰りに大きな影響が出るような事態もたびたび起こります。

キャッシュフローの不安定性を乗り越えるためには、以下の対策が考えられます。まず、事業の初期段階から精緻な収支の予測を行い、予測に基づいた資金計画を立てること。また、予備の資金を確保しておくことで、急な資金需要にも柔軟に対応できるようにしておきます。

可能であれば、事業の収益性やキャッシュフローを向上させるための施策を継続的に検討して実行し、中長期的な経営基盤の構築を目指せるとなお良いでしょう。

課題3:組織・体制・文化の課題

新しい事業を進めるなかで最大の障害となるのは、見えない組織の壁や文化の違いです。たとえば、社内のノウハウの不足や、新規事業に対するコミットメントの欠如、そして、失敗を恐れる文化です。

とくに組織を横断したプロジェクトチームで事業の立ち上げにあたっている場合、組織全体の理解や各部署の支持を得られなければ、どれだけ優れたビジネスモデルや技術を持っていても、つまずいてしまうことが予想されます。ここでは、新規事業を推進する上で組織が直面する体制や文化の課題に焦点を当て、それを乗り越えるヒントを探ります。

社内のノウハウが足りない

必要なノウハウが社内にでは事足りない場合、多くのことが必要以上の“チャレンジ”となってしまいます。新規事業に必要な技術や市場の知識がなければ、計画段階で誤った判断や、実行フェーズで非効率な取り組みが生じるリスクが高まるためです。ノウハウが不足していると、競合他社に遅れを取るだけでなく、ユーザーからの信頼も得られにくいというデメリットもあります。

ノウハウ不足は致命的な問題ではありません。社外の専門家やコンサルタントの協力を得たり、他の企業との協業やアライアンスを結んだり、研修や教育を徹底するなど、さまざまな方法で補完ができます。

大切なのは、経営層の意識です。新規事業を成功させるために、経営層が積極的にノウハウの獲得や育成に取り組む姿勢を見せる必要があります。経営層がリーダーシップを取り、ノウハウ不足を解消する方向を取り入れて全社を導くことで、新規事業が成功を収める可能性を広げることができるのです。

新規事業へのコミットメント不足

残念ながら、多くの企業で見られるのが新規事業への「コミットメント不足」の問題です。背景には、新規事業のリスクを恐れ、安定した既存事業に依存する姿勢や、新規事業プロジェクトに選んだメンバーにのみ努力を強いる状態になることが挙げられます。

コミットメント不足が起こると、新規事業は十分な資源や支援を受けられず、結果として中途半端な実施や失敗に終わるリスクが高まります。また、メンバーのモチベーション低下、外部からの信頼喪失といった事態が、自社に悪影響を及ぼすこともあり得ます。

事態を解消するには、経営陣が新規事業の重要性や将来のビジョンを社全体に強く伝え、メンバーと共にその道を進む決意を固め、共有することが求められます。また、新規事業チームの実績や成功を社内で積極的に共有し、全社員の関与や参加を促す取り組みもできれば行いたいところです。

最終的に新規事業への真のコミットメントは、経営トップから各メンバーへの連携と共通理解を基盤とした上で、明確な方針と支援を持続的に行うことで醸成されるものなのです。

失敗を許容しない文化

失敗を恐れる文化が企業内に根づくと、その影響は従業員の創造性や革新性に及び、組織全体の成長を妨げるリスクとなります。成果が求められるなかで、失敗を許容しない文化が生まれる背景にはいくつかの要因があります。

1つ目は、失敗に対する過度なペナルティや制裁。ミスや失敗が厳しく取り締まられる組織では、リスクを取ることを避け、安全策を選ぶ傾向が強まります。

2つ目は、失敗に対する組織の学びの欠如。失敗は避けられないものとして認識を改め、「失敗から学ぶ」姿勢を重要視します。失敗を隠蔽する文化ではなく、オープンに共有し、その原因や改善策をシェアできる文化が必要です。

3つ目は、長期的なビジョンの欠如。短期的な目標達成に注力し、失敗を許さないプレッシャーが高まると、組織としての持続的な成長や進化が疎かになりがちです。

失敗を許容する文化を築くためには、経営者やリーダーが率先して失敗の経験を共有し、失敗からの学びを重視する姿勢を持つことが求められます。また、失敗を経験したメンバーを支え、再挑戦を促す環境作りも大切です。

課題の解決方法

それぞれの課題には固有の背景や要因があり、一概に同じアプローチで解決することは難しいことが多いです。しかし、どんなに複雑で困難な課題であっても、適切な方法を選択すれば乗り越えることができます。解決のポイントは、シチュエーションや課題の本質に応じた「解決方法」の選択です。具体的なフレームワークの導入や、社外の専門家・リソースを活用することで、課題を有効に解決する道筋が見えてきます。

ここでは、新規事業の成功を実現するための具体的な課題解決方法を2つのポイントに絞ってご紹介します。フレームワークの適切な活用方法や、外部リソースとの連携の秘訣を探ることで、事業の加速と質の向上を目指しましょう。

フレームワークの活用

新規事業の推進や課題解決の際に「フレームワーク」を積極的に取り入れることをおすすめします。フレームワークは、ある問題を解決するための構造や手法を示した枠組みですが、用いることで複雑な課題をわかりやすく体系的にアプローチすることができます。

フレームワークを使うメリット

  • 構造的思考を提案できる
    フレームワークは課題を分割し、各要素ごとに取り組むことを容易にします。たとえば、新しいビジネスモデルの創出や既存のビジネスモデルの評価・改善を目的として設計されたフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」は、新規事業の概要を一覧で把握するのに役立ちます。
  • 共通認識をつくりやすい
    プロジェクトの初期段階では、参加者が持っている情報や認識が異なることが多く、方向性の不一致や認識のずれから非効率な動きが生じることがあります。SWOT分析やPEST分析、5C戦略などを用いて事業の大枠や方向性を示す課題の理解や方針の共通認識をもてると、プロジェクトをスムーズに進めやすくなります。

適切なフレームワークを選択していない場合は課題解決の妨げとなることもありますので、一つのフレームワークに固執せず、状況や目的に応じて柔軟に選んでお使いください。

社外リソースの活用

事業を進めるなかで、組織に必要なスキルや知識が不足していることはよくあります。この場合、社外の専門家やリソースを取り入れると、事業の質や進行速度をスピードアップができます。

  • コンサル
    コンサルタントやコンサルティングファームは、専門知識や経験を活かして企業の課題解決や事業戦略の策定をサポートします。新しい市場への参入・業務改善・組織再編・M&Aの戦略策定を始め、多岐にわたる領域のサポートが可能です。コンサルタントは中立的な立場でアドバイスを行うため、自社内にある先入観や固定観念を取り払い、新しい視点やアプローチを提案ができるのも利点です。
  • プロ人材
    特定の専門分野や技術領域での深い知識と経験を持つプロフェッショナル人材を一時的に採用することで、プロジェクトの質を上げることができます。たとえば、ITシステム導入、デザイン領域でのブランディング戦略など。彼らは特定の課題やプロジェクトに集中して取り組めますし、プロならではの成果を期待できます。

社外リソースを活用する際には、事前に明確な目的や期待値を設定し、適切な人材や組織を選定することが欠かせません。また、社内との連携やコミュニケーションを密に取り、スムーズな進行ができるよう心配りも必要です。

新規事業開発にお悩みならUX Design Labがサポートします

新規事業を進めることは、企業成長のカギとなる一方で、課題や障壁が立ちはだかる難しいプロセスでもあります。課題に直面した際、自社だけの力で解決しようとすると時間とリソースが、思いの外かさむこともあります。しかし、適切なフレームワークの導入や社外リソースの活用により、これらの課題を効率的に克服する道もあります。

UX Design Labは新規事業の開発における課題を深く理解しています。経験豊富な専門家として、ビジネスモデルの構築うあ戦略策定、実際の実行サポートまでトータルでバックアップします。とくにUXの観点から、事業に価値をもたらせるよう全力でサポートいたします。ぜひ気軽にご相談ください。

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UX Design Lab編集部
記事を書いた人 UX Design Lab編集部
UX Design Labは、ユーザー視点・マーケティング視点の両面からWeb開発や新規サービス立ち上げ、サイト制作の戦略設計をサポートするUXコンサルティングサービスです。UXデザインでユーザー視点での本質的なニーズを見出し、現状の課題を発見・分析・改善します。編集部からはUX設計や事業立ち上げ、マーケティングに関わる有益な情報を、識者の目線から提供いたします。

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