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【BtoB/BtoC】カスタマージャーニーマップの事例5選|作成方法・注意点も解説
目次
カスタマージャーニーマップは、ユーザーが製品やサービスを認知し、購入、利用、継続(再購入)するまでの一連のプロセスをまとめたものです。ユーザーの行動の流れを把握できるだけでなく、関係者間でユーザー像を共有できるため、新規事業の開発やサービスの改善に大きく役立てることができます。
この記事では、BtoB向けのマーケティングツールサービスサイトからBtoC向けのメディアサイトまで、カスタマージャーニーマップ事例を幅広くご紹介。それぞれの特徴やカスタマージャーニーマップを作成する際のポイントについて解説しているため、作成時の参考にしてみてください。
カスタマージャーニーマップとは
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが製品やサービスを認知し検討、購入・再購入までの一連のプロセスをまとめたものです。各フェーズにおけるユーザーの行動や思考、感情だけでなくタッチポイント(ユーザーとの接点)も把握できるため、どのタイミングでどんなアプローチをするべきか考えやすくなります。
ユーザーストーリーマップとの違い
カスタマージャーニーマップと混同されやすい言葉のひとつに、「ユーザーストーリーマップ」があります。ユーザーストーリーマップはプロダクトの開発前に要件定義をするために作成するもので、ユーザーが取るであろう特定のフローに対して必要な機能の要件を整理するものです。
一方、カスタマージャーニーマップはユーザーの行動や思考、感情を時系列に整理し、各フェーズで効果的なアプローチを行うために作成するもの。ユーザーストーリーマップに比べてより俯瞰的な視点で、プロダクトのタッチポイントなどを整理します。
どちらもユーザーの動きを可視化したものですが、記載する要素や内容の粒度が異なります。
カスタマージャーニーマップの作成方法
それでは、早速カスタマージャーニーマップを作成してみましょう。カスタマージャーニーマップの作成方法は以下の4ステップです。
- 目的を設定する
- ペルソナを設定する
- 縦軸と横軸を定義し、フォーマットを作成する
- フォーマットに沿って、ユーザーの行動や感情を整理する
目的を設定する
「何を目指すのか」が明確になっていないままカスタマージャーニーマップを作成してしまうと、課題の把握や施策の優先度付けが正しく行えません。そのため、カスタマージャーニーマップを作成する際は初めに目的を設定しましょう。たとえば、「問い合わせ数を増やす」「リピートユーザーを増やす」などです。
ペルソナを設定する
次に、カスタマージャーニーマップの主人公となるペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、自社の製品やサービスを利用する典型的なユーザー像のこと。名前、年齢、居住地、職業といった基本情報だけでなく、性格やSNSの利用頻度などについても詳細に設定することで、カスタマージャーニーマップに具体性が増します。
縦軸と横軸を定義し、フォーマットを作成する
ペルソナを設定したら、カスタマージャーニーマップのフォーマットを作成しましょう。縦軸に行動、思考、タッチポイント、課題などの項目を、横軸に認知、情報収集、検討、購入、購入後……といった時間軸を設定します。以下項目をベースとし、自社にあわせて項目を足し引きするのがおすすめです。
主な項目は以下のとおりです。
- 縦軸
- 行動:ユーザーの行動
- タッチポイント:ユーザーとの接点
- 思考:ユーザーが考えていること
- 感情:ユーザーが思っていること
- 課題:考えられる課題、ニーズ
- 横軸
- きっかけ
- 認知
- 情報収集
- 比較検討
- 購入
- 購入後
フォーマットに沿って、ユーザーの行動や感情を整理する
フォーマットを作成したら、ペルソナの視点に立って項目を埋めていきます。このとき、実際のユーザーの行動と乖離してしまわないよう、ユーザーインタビューやアンケート、ユーザーとの接点が多い社員へのヒアリングを実施することが望ましいでしょう。「生の声」を取り入れることで、カスタマージャーニーマップの精度を高められます。
カスタマージャーニーマップの作成事例5選
ここからは、弊社が作成したカスタマージャーニーマップを5つご紹介します。自社の業種や商材と近いものがあれば、作成時の参考にしてみてください。
【BtoB】マーケティングツールサービスサイトのカスタマージャーニーマップ
マーケティングツールサービスサイトのカスタマージャーニーマップでは、ユーザーがツールを認知してから契約し、導入後までの流れをまとめています。ツールを認知するまでの行動や、「いまいち判断基準がわからないなあ」「セキュリティもしっかりしていそう」といった、比較・検討時の感情の揺れ動きについて詳細に記載していることが特徴です。
【BtoB】経費管理サービスサイトのカスタマージャーニーマップ
経費管理サービスサイトのカスタマージャーニーマップは、多くの社員による意見を付箋形式で集めて作成していることが特徴です。また、イラストを取り入れることで、ユーザーの感情の動きを直感的に把握できるよう工夫しています。
【BtoB】メディアサイトのカスタマージャーニーマップ
BtoB向けのメディアサイトのカスタマージャーニーマップでは、課題に対する改善案だけでなく、具体的なコンテンツ案を出しています。また、ユーザーの感情の起伏を明記することで、どのタイミングでどのようなコンテンツが必要か議論しやすくなっています。
【BtoC】通販サイトのカスタマージャーニーマップ
こちらは、オーダーメイド製品を制作、販売している通販サイトのカスタマージャーニーマップです。アクション(ユーザーが取る行動)とタッチポイントをあわせて記載することで、ユーザーがどのような経緯でタッチポイントにアクセスしたかが把握しやすくなっています。また、コンテンツやSNS施策の検討がスムーズにできるよう、具体的な検索クエリを記載している点も特徴的です。
【BtoC】メディアサイトのカスタマージャーニーマップ
BtoC向けのメディアサイトのカスタマージャーニーマップは、「楽してお金を稼ぎたい」「シフトに縛られたくない」など、おおまかなユーザーニーズを設定してから内容を深掘りする流れで作成。ユーザーの状況・背景を定義することでよりユーザー視点に立って考えることができるため、実際のユーザーの行動と近い高精度のカスタマージャーニーマップが完成します。
カスタマージャーニーマップを作成するときの注意点4つ
カスタマージャーニーマップを作成するときの注意点を解説します。以下の4点に気をつけながら、「作成して終わり」ではなく製品・サービス改善に活用できるカスタマージャーニーマップを作成しましょう。
最初から作り込みすぎない
完璧なカスタマージャーニーマップを目指そうと詳細に作り込みすぎてしまうと、作成に行き詰まってしまいます。ユーザーが製品やサービスを購入するまでの一連の流れを整理し、まずは一通り仕上げることを意識します。
そして、大まかな形ができたら徐々に詳細を詰めていきましょう。埋められない項目がある場合は、社内の担当者にヒアリングしたり、追加でユーザー調査をしたりします。
憶測や思い込みで作成しない
カスタマージャーニーマップを主観や思い込みで作成してしまうと、実際のユーザーの行動と乖離したカスタマージャーニーマップになってしまいます。そのため、ユーザーインタビューやアンケート、Webサイトのアクセス解析など、客観的な事実やデータを用いながら作成することが大切です。
作成することが目的ではない
カスタマージャーニーマップは、あくまでユーザーの行動やユーザーとの接点を可視化するツールです。そのため、「カスタマージャーニーマップを作成すること」が目的になってしまっては作成した意味を成しません。
カスタマージャーニーマップは、作成後に「アクセス数の増加」「リード獲得」といった目的の達成に向けて活用することが重要です。カスタマージャーニーマップだけでなく、作成した目的も他部署と共有しながら、施策を検討しましょう。
定期的に更新する
カスタマージャーニーマップは、実際のユーザーの行動と乖離しないよう、常に新しく精度の高い状態を保つ必要があります。そのため、半年〜1年ごとに内容を見直すようにしましょう。
また、大きくトレンドが変化したり、他社から革新的な製品がリリースされたりした場合も、カスタマージャーニーマップを見直すことがおすすめです。実際のユーザーの行動とカスタマージャーニーマップの内容が近くなるほど、ユーザーに刺さる事業内容や施策を検討できるようになります。
カスタマージャーニーマップを作成して、事業の改善に活用しよう
カスタマージャーニーマップは、ユーザーが製品やサービスを認知してから、購入、利用、継続(再購入)するまでの流れを可視化したもの。今回ピックアップした5つの事例のように、記載する内容や作成する際のポイントは業種によって異なります。そのため、自社のカスタマージャーニーマップに必要な要素や、ユーザーの行動や感情を整理する方法がわからない方も多いでしょう。
そんな方たちへ向けて、UX Design Labではカスタマージャーニーマップの作成や、それに伴うペルソナ設計を行っております。サイト設計やコンテンツ施策のご提案まで一貫して実施しているため、「信憑性のあるカスタマージャーニーマップを作成できるか不安」「カスタマージャーニーマップを事業改善に活用したい」という方は、ぜひご相談ください。
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